地震に強い家を建てるには?

毎日安心して我が家で暮らすためには、災害に強い家を建てることが必要です。

 

特に耐震性は、家を建てる上で特に注目度の高いポイントです。

 

家族や家財を地震から守り、安心して生活していくためにはどんな点に気をつければ良いのでしょうか?

 

最も大切なのは地盤

地震に強い家を建てるために最も重要なのは地盤の強さです。

 

いくら優れた技術で耐震性の高い家をつくることができても、地盤が弱くすぐに傾いてしまうようでは意味がありません。

 

地盤改良工事を行えば強度を得ることができますが、それには多額の費用がかかります。

 

正確に地盤の強さを知るためには調査が必要ですが、お金がかかりますし、基本的に購入後に行うことになります。

 

土地を買う前に地盤の強さを推し量るにはどうしたらよいのでしょうか?

 

まず、造成されたばかり、整地されたばかりの土地は注意が必要です。

 

もられた土の強さにムラがあることが多く、崩れたり沈んだりしやすいためです。

 

川や池、湿地などの水辺に近い土地は水分量が多く、地盤沈下や液状化が起きやすいです。

 

こうした土地は水害のリスクも高いため、家を建てる際には慎重になる必要があります。

 

また、自治体が公表しているハザードマップを見るのも重要なヒントになります。

 

耐震等級とは

地震の強さを数値にしたのが耐震等級です。耐震等級には3段階あります。

 

耐震等級1:建築基準法で定められているのと同程度の耐震性能
耐震等級2:建築基準法の定められている耐震性の1.25倍の性能
耐震等級3:建築基準法の定められている耐震性の1.5倍の性能

 

建築基準法では数百年の一度の大地震(震度7程度)で倒壊せず、数十年に一度の大地震(新語5強程度)で損傷しないレベルの耐震性を必要としています。

 

そのため、現行の建築基準法さえ守っていれば、必要な耐震性は確保できているということになります。

 

耐震等級3でなければ危険ということはありません。

 

ただ、繰り返す地震によってダメージが蓄積することを防いだり、建物だけでなく中の家財を守ったりすることを考えるならば、耐震等級が高いに越したことはありません。

 

耐震性と住宅の構造

住宅の構造は大きく分けて3つあります。

 

木造

戸建住宅で最も多いのが木造の家です。

 

木造の家は地震に弱そうなイメージがありますが、他の構造に比べて軽く、躯体や基礎への負担が少ないため新築の耐震強度は他と比べても申し分ありません。

 

ただ、木材は湿気や水分によって劣化し、強度がだんだん落ちてしまうという問題があります。そのため、木造住宅では湿気対策や防水工事が耐震性を保つ鍵になります。

 

また、従来の木造軸組工法よりも2×4、2×6工法の方が高い耐震性を得られます。

 

鉄骨造

耐震性は木造と鉄筋コンクリート造の中間で、価格も同様です。

 

鉄骨は木材と違って劣化しにくく、耐震性も長持ちします。

 

鉄筋コンクリート

最も地震に強い工法ですが、価格も高いです。

 

また、建物に重量があるため基礎工事や地盤の工事にも費用がかかります。

 

その代わり住宅の寿命は最も長く、耐震性も維持しやすいです。

 

長期的な視点で見るなら鉄筋コンクリートが最も有利ですが、木造住宅でも適切なメンテナンスを続ければ耐震性を維持できます。

 

また、耐震性そのものについては、構造よりも耐震等級がいくつかということの方が大切です。

 

木造住宅でも適切な技術と工事を用いれば、耐震等級3の家を建てることができます。

 

家の間取りと耐震性

家の形や間取りも耐震性に影響があります。

 

例えば大きな窓や吹き抜けは柱や壁が少なくなるため、強度が落ちます。

 

そこで、大きな空間や開口部をつくる際は、周辺の強度を高くしたり、大きさの制限を設けたりしています。

 

そのため、吹き抜けによって耐震性そのものが損なわれることはないのですが、価格は上がりやすくなります。

 

また、凹凸の多い形状やいびつな形の住宅は、力のかかる部分が偏りやすく、地震や台風などの際に破損や歪みが生じやすくなります。

 

これについても設計時に力のかかり具合を考慮した上で進めていくため、問題になることはまずありませんが、気になる場合は全棟で構造計算を行っているハウスメーカーを選ぶと安心です。

 

特にこだわりがなく、予算を抑えつつ地震に強い家を建てるなら、シンプルな形状と間取りの家にするのが良いでしょう。

 

他にも、3階建てよりは2階建ての方が、2階建てより平屋の方が地震に強い家をつくりやすいです。

 

上の階の重みがない分、躯体や基礎への負担が少なくなるためです。

 

狭小地でやむなく3階建て、4階建てをつくる際は、普段から3階建て以上の家を扱っているノウハウのあるハウスメーカー・工務店に依頼すると安心です。

 

耐震性はもちろん、間取りなどの使い勝手も良くなります。

 

また、地下をつくるのも選択肢です。地下にコンクリートで固められた部屋をつくることになるため、居住スペースと安定した土台をまとめて手に入れることができます。

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