1,000万円台で平屋の新築一戸建てを建てるには
戸建住宅というと二階建てのイメージですが、最近では平屋住宅の人気が高まっています。
コンパクトでフラットな住空間は、無駄がなく使いやすい快適な住まいです。バリアフリー化もしやすいため、老後の住まいとしても人気があります。
一方、平屋住宅は二階建てと比べて割高になりやすいとも言われており、限られた予算内で満足のできる家が建てられるのか不安が残ります。
しかし、ポイントさえ押さえれば、1,000万円台でも心地よく快適なマイホームを建てることは可能です。
1,000万円で新築の家は建てられるのか?
家を建てるなら安いに越したことはありません。
住宅ローンの返済額が少なくなれば毎月のやりくりも楽になりますし、マイホームを諦めていた人でも住宅購入に踏み切ることができます。
1,000万円のローンなら、35年で組めば毎月の返済額は金利によるものの5万円以下。家賃よりも少ない負担で家を手に入れることができます。
最近では質の良いローコスト住宅を扱いハウスメーカーも増えており、コストパフォーマンスの良い家を建てやすくなっています。
価格を抑える都合上、間取りの自由度や柔軟性が低いことが多いのですが、最近では平屋専用や対応のローコスト住宅のプランも登場しています。
平屋住宅のメリット
平屋というと日本に古くからある和風で地味なイメージを持っているかもしれませんが、最近の平屋は洋風のものやモダンなもの、スタイリッシュなデザインのものもあります。
もちろん、見た目が良い以外にも、平屋のメリットはたくさんあります。
移動が楽
二階がなく、すべての部屋が同じフロアにあるので階段がなく移動が楽です。
段差のないバリアフリー化も行いやすく、年をとってからはもちろん、小さな子どもにも暮らしやすい安全な住まいです。
老後の住まいとして平屋が人気なのも、負担の少なさが重視されている証でしょう。
広すぎない
夫婦だけの家庭など、人数の少ない家庭なら広すぎる部屋は不要です。
余計なスペースは建築費用が無駄になるだけでなく、物が増えすぎてしまったり掃除に余計な手間がかかったりする原因になります。
設備が少なくなる
最近では一階と二階にトイレを設ける住宅が多いですが、便利な半面、費用も余計にかかります。
平屋の場合、ワンフロアになるためこうした設備も少なくなります。
メンテナンス費用の削減
雨風に曝される屋根や外壁は、一定期間ごとに塗り替えや葺き替えが必要です。
二階建て以上の場合、こうしたメンテナンスには高い足場が必要になりますが、平屋なら低い足場で十分、コストも抑えられます。
平屋住宅のデメリット
人気の高い平屋住宅ですが、注意しなければならない点もあります。
広い土地が必要
当然ですが、二階建て三階建てに比べると広い土地が必要です。土地面積の限られる都市部で平屋を建てるのは非常に難しいです。
採光と風通しが悪くなりやすい
周囲を家に囲まれた土地に平屋を建てると、建物に遮られて日当たりや風通しが悪くなってしまいます。今建物がなくても、将来大きな家が建ってしまうかもしれません。
快適な住まいにするためには、土地に余裕を持って建てるか、天窓や中庭などで採光と通風を確保する必要があります。
プライバシーに問題が生じることもある
すべてのフロアが一階となり、寝室などの覗かれたくない部分も外から見えやすくなります。家の中が見えすぎてしまうのは、防犯面でも問題があります。
リビングや寝室の前には目隠しを設けたり、間取りを工夫したりなどの工夫が必要です。
割高になりやすい
同じ床面積の二階建てに比べて、平屋の家はどうしても割高になってしまいます。
屋根や壁、基礎などの面積が多くなってしまうためです。
そのため、家族が多くて部屋数が必要な場合や、広い室内面積を必要としている場合は、素直に二階建て以上を選ぶことをおすすめします。
建売住宅か、注文住宅か
新築の住宅を購入する際、建売住宅にするか注文住宅にするかというのは誰しも悩む問題です。
それぞれに良い点・悪い点があるのですが、平屋住宅にするのなら圧倒的に注文住宅をおすすめします。
まず、建売住宅はファミリー向けの物件がほとんどであるため、二階建てのスタンダードな間取りの物件が大半です。
コンパクトな平屋は多くありません。
また、平屋の場合、面積が限られる以上設備や間取りの取捨選択が必須です。
狭い面積にあれこれ詰め込んでも息苦しいだけになってしまいます。
しかし、建売住宅の場合多くの人に当てはまるような無難な間取り・デザインになるため、中途半端なものや詰め込み過ぎになりやすいです。
注文住宅というと高価なものというイメージがありますが、コンパクトな平屋なら費用はそこまで大きくなりません。
また、設備も自分で優先順位をつけて選べるため、いらないものを省いたり、こだわりたいポイントだけグレードを上げたりすることもできます。
1,000万円以下で建てることも可能
中にはうまく取捨選択をすすめた家づくりを行うことで、ハウスメーカーの住宅でありながら1,000万円以下を実現している人もいます。
全体的にある程度のクオリティが欲しいというバランスの良い住宅では難しいですが、必要なものだけで不要なものは一切持たないシンプルな構成にすれば、1,000万円以下も不可能ではありません。
1,000万円台で平屋住宅を建てるためのコツ
ここからは、1,000万円台で平屋を建てる時に抑えておきたいポイントについて紹介していきます。
小さなコストカットでも、積み重ねれば1,000万円以下を目指すこともできます。
家の形はシンプルに
上から見た時の家の形は正方形に近いものを心がけ、凹凸のないものになるよう心がけましょう。
凹凸は表面積造花の原因になります。外壁材が多く必要になりますし、角が多くなると工事費用もかさみます。
広い面積のものは安い素材を選ぶ
外壁材や屋根材、壁紙、床など面積の広い部分に高い素材を選択すると工事費用がかさみます。
標準仕様のものにするか、価格の低いものを選ぶと大きなコストカットになります。
ただし、価格ばかり重視して機能性や耐久性を軽視すると、維持費がかかる原因にもなるため、ハウスメーカーとよく相談して決めるようにすると安心です。
プランはあまり変更しない
あれこれ自分で考えるのは注文住宅の醍醐味ですが、基本的に変更を加えていくほど価格は高くなります。
あまり変更をせずとも満足の行くつくりになるよう、標準仕様の時点で好みに近いハウスメーカーや工務店を選ぶようにしましょう。
こだわるポイントは絞る
コストを抑えた家づくりには、メリハリが大切です。
こだわりたいポイントにお金をかけるなら、それ以外の部分はとことんシンプルになるように徹底的に無駄を省きましょう。
部屋を増やしすぎない
部屋数が増えると、ドアや壁、コンセント、照明などの個数が増えてコストがかかります。
また、平屋はどうしても床面積が狭くなりがちになるため、あまり細かく部屋を区切ると開放感が失われ、窮屈になってしまいます。
狭い部屋は用途が限定され使い勝手も悪いため、開放的な間取りになるように気をつけましょう。
ローコストでも快適な平屋住宅
高額で割高なイメージのある平屋の注文住宅ですが、価格を抑えるポイントさえしっかりつかめば、1000万円台で快適な住まいを建てることができます。
無駄を省いたシンプルな平屋は、暮らしやすく家計への負担も少ない理想の住まいの形の一つです。